- HOME
- リジュセアによる近視進行抑制治療

1.近視の進行を抑制する点眼治療「リジュセア」

当院では、アトロピンというお薬を1日1回点眼することによって近視の進行を抑制する治療を行っております。治療には低濃度アトロピン(リジュセア)を使用します。この点眼薬は、アトロピンを(0.025%)配合した点眼薬で、参天製薬とシンガポール国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュートにより共同開発され、近視の進行抑制を効能・効果として日本で初めて製造販売承認された医薬品となります。
2.近視の進行を抑制することが大切な理由

子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれ生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
また、近視は高度な近視の場合、回復不可能な視力喪失、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障に発展する可能性もあるといわれています。低濃度アトロピン(リジュセア)には眼軸長を伸展させる働きに関連するムスカリン受容体をブロックする効能があると言われています。
3.リジュセアの臨床試験報告
参天製薬から以下のような報告がされております。アトロピン(0.025%)の効能・効果及び安全性は点眼を3年間継続した後によるものです。
- 日本で初めての近視進行抑制点眼液
- 5~15歳の近視患者対象の調節麻痺下他覚的球面度数、眼軸長を指標とした試験を行い、3年間の長期的な近視進行抑制効果が認められた
- 主な副作用は羞明(まぶしさ)であった
4.リジュセアの治療効果
3年間の使用で近視の進行を平均40%軽減させると言われています。

使用時にまぶしさを感じる場合があります。
1カ月程で感じなくなるという報告もございます。
5.リジュセアの特徴
- 製剤工夫により、有効性の高い近視進行抑制薬となっております。
- 近視の進行を平均40%軽減させると言われています。
- 目の遠近調節機能(手元を見る作業)にほとんど影響を与えません。
- 毎日就寝前に1滴点眼するだけの治療法です。
- 長期使用を想定して防腐剤フリーの1回使い切りタイプの点眼剤です。
- 点眼薬はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
- 日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
6.治療の対象となる方
- 軽度から中等度(-0.5D~-6.00D)程度の近視で5歳~15歳の方
15歳を過ぎても近視は進行するので適応となる場合があります。 - 3カ月ごとの定期的な通院が可能な方
検査・診察による治療効果判定のほかに合併症が生じていないかのチェックも行いますので、予定された再診期日を守れない傾向がある場合は、治療を継続できないことがあります。年齢にもよりますが2年以上の継続をご案内しています。当院では、まず2年間使用していただき、効果判定をしながら治療の継続の可否について、ご相談させていただいています。 - 就寝前の点眼が毎日可能な方
目薬は感染症などのリスクを避けるため、使用後はすぐに破棄してください。
7.リジュセア治療の費用
リジュセアの治療は自由診療です。保険診療とは別日に行います。
健康保険や医療費助成制度は適応されません。
0.025% リジュセア
| 治療費用 [リジュセア1箱(1カ月分)4,200円(税込)、検査代2,000円(税込)] | ||
|---|---|---|
| 初回治療費用 | リジュセア1箱(1カ月分) + 検査・診察 | 6,200円(税込) |
| 1カ月後の治療費用 | リジュセア2箱(2カ月分) + 検査・診察 | 10,400円(税込) |
| 3カ月ごとの治療費用 | リジュセア3箱(3カ月分) + 検査・診察 | 14,600円(税込) |
←左にスライドすると全体が確認できます。
※リジュセアの副作用として、瞳孔が大きくなることによる羞明(まぶしさ)、霧視(かすみ目)、近くにピントが合いにくくなる調節障害などが起こる場合があります。
